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スペース倶楽部vol.148(2018/08)

スペース倶楽部vol.148(2018/08)

今月は「2018年路線価」についてご案内致します。

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★★★2018年路線価★★★

本格的な夏が始まりました。想像以上の強い陽ざしに体力を消耗し、溜め息の出る毎日です。水分補給を忘れずに、体調管理に心掛けて下さい。今回は、全国平均で3年連続上昇した2018年路線価につきましてお伝えします。ご存知のように路線価は相続税や贈与税を計算する基準の土地価格です。2015年の相続税増税による課税範囲の拡大や生前贈与の検討が増えたことにより、路線価が気になる人も増えたことと思います。

今年の路線価は、全国平均では前年比0.7%アップ、上昇率は前年の0.4%と比べて0.3ポイント拡大しています。都道府県別に見ると、

上記の道県内でも地域の差があり、今後さらに明確になっていくと思います。
個別地点の最高額は33年連続日本一となった東京都中央区銀座5の「鳩居堂」前で、1㎡当たり価格は4,432万円。前年比9.9%のアップとなり、過去最高を更新しています。全国トップの上昇は北海道ニセコ地区の「ニセコ高原比羅夫線通り」で同88%の上昇。スキーリゾートとして人気が高まり、外国人の不動産購入が目立っています。全国2位の上昇率は京都市東山区の「祇園四条駅周辺」で同25.9%アップ。国内外の観光客で賑わい、商業施設の賃料などが高騰しています。

都市部や観光地を中心とした地価上昇の要因としては、訪日外国人客の増加が挙げられます。2017年の年間訪日客数は2,800万人を超えて過去最高でしたが、今年はさらに上回るペースです。訪日客が増えれば買い物や宿泊施設の需要が増え、条件の良い土地は商業ビルやホテル用地として取得競争になり、東京都心部では高額マンションの好調な売れ行きが続き、また郊外や地方都市でも駅近で利便性の高いマンションは人気が高いため、事業用地を確保する競争が周辺地価を押し上げている状況となっています。

今後の地価はどうなるのでしょう。一説には東京五輪が開催される2020年前後にピークを迎え、そこからは下り坂になるとの見方もありましたが、五輪は東京都心部に限定されたイベントであり、他のエリアにとって五輪の影響はさほど大きくないと考えられています。東京都心部については、山手線新駅や大規模な再開発の計画があり、五輪の前後に東京の地価が一時的に弱含みになったとしても、それで地価が下落するとは思えません。さらに、超低金利政策が続き、土地やマンションを購入しやすい環境が続く限り、都市部では地価が安定した状態で維持するとの見方が多いようです