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スペース倶楽部vol.182(2021/7)

スペース倶楽部vol.182(2021/7)

★★★~所有者不明土地法成立~★★★

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今年4月21日に、所有者が分からない土地の問題を解消するための関連法が、参院本会議で可決、成立しました。 今まで、義務ではなかった「相続登記」について、2024年をめどに土地や建物の相続を知った日から3年以内(「所有権の登記名義人の変更」は5年以内)に登記するよう義務づけられました。
もし、正当な理由がなく申請しなかった場合には、それぞれ過料を支払うこととなります。

これまで「相続登記」・「所有権の登記名義人の変更」は、しないでも当面は困ることはなく、放置されがちで、その結果、相続人が増え続けたり、登記上の所有者住所が古く、連絡が取れないことで、「所有者不明の土地」が増加してきました。
「所有者不明の土地」があると、公共事業や再開発事業を行う際に、所有者を探し出す手間やコストから、事業に踏み切れない等の弊害がありました。このままいくと、「所有者不明の土地」の所有関係はより複雑化し、手のつけようがなくなる可能性がありましたが、今回の法案は、それに歯止めがかかることを期待するものになります。

しかしながら、今まで放置されていた「所有者不明の土地」の相続登記等を、実際に行うには、なかなか骨が折れる作業になることが予想されます。例えば、対象の土地の相続人が全員見つかったものの、そのうちの一人が認知症であった場合はどうでしょうか。また、登記の実務は、司法書士に依頼することになりますが、相続人が複数いる場合、誰が中心となり、そして費用を負担するのでしょうか。いずれにしても、一筋縄ではいかないことが予想されますが、これから法案の中身がどうなるのか、注目です。

 もし、この記事をご覧の方で、「相続登記」や「所有権の登記名義人の変更」が完了していない不動産に関係しているのであれば、早めに、司法書士にご相談することをお勧めいたします。関係者を割り出す作業だけでも相応の時間がかかる場合があるからです。
また、相続は資産がある限り、続いていきます。前記のような「これまでの相続」をきっかけに、是非「これからの相続」につきましても、整理されてはいかがでしょうか。

新型コロナウイルスの流行で、我々の生活は一変し、世の中、起こりえないことが起こることを、身をもって経験しました。一方、相続はいつか必ず発生します。いつか必ず発生するリスクについては、十分な準備をすることが可能です。家族に話の切り出し方がわからない・・・そのようなご相談からでも構いません。司法書士・税理士と連携して、取り組ませて頂きますので、お気軽にご相談ください。次世代に「所有者不明の土地」のような後処理を残さないために・・・。

株式会社スペース